画家・和田義彦さんの「盗作」疑惑と、「また朝日か」疑惑

和田義彦さんが自分でブログ持ってたら大炎上確実、というぐらいの「盗作疑惑」ですが、マスコミではあんまり話題になっていない(ようにぼくには思える)件も含めて少し。
このエントリー(カテゴリー)が面白すぎるので、まとめて読んでみてください。ぼくのサイトを見るよりも面白いと思います。
天漢日乗: 盗作疑惑
あと、こちら。
模写or盗作?和田義彦 文化庁盗作大賞受賞
どれだけ似ているかがよく分かるかと思います。
この件に関するぼくの感想は、「和田義彦さんが韓国人じゃなくてよかったなぁ」というところ。いやギャグじゃなくて本当に。
韓国人だったら、この話はギャグかあるいは「また○○か!」ネタにしかならないわけで。
まとめて読むと、日本*1の美術業界のおかしなところが気になるわけです。文学(小説)とかも似たようなもんかな。小説には「家元制度」みたいなのはないんですが。
盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方(その20) 国画会は知っていた 2002年の東郷青児賞受賞時からすでに噂に

公募団体展というのは高級カルチャーセンターの胴元みたいなもので、その団体に所属する先生について絵の勉強をする。
そこそこの腕になると「何々展」に出品しないか、と先生から声が掛かる。
作品を何点か(母の場合は毎回100号くらいの油彩を3点くらい)出品。
審査には、先生が参加していて、弟子の作品をプッシュ、他の審査員がイイ作品だと認めれば、入選、というのが、母の「趣味の絵描き」生活から見えてくるパターンだ。
もちろん、先生は出品作の元になる写真選び(自分で撮った写真を一枚いくらで売りつけることもある)、出品作の制作過程での助言などはしてくれる。
入選を繰り返し、ある程度の段階になると、「カルチャーセンターでついてた先生」からは離れるようだ。
母の場合も、たまたま近所の絵画教室でついた先生の団体に出品してるだけで、最初からその団体に興味があったわけではないらしい。
ま、入選すれば別に先生にお礼を包むし、ある意味日本の家元制度の悪いところを引き継いでいるのが、現在のカルチャースクール絵画とそこから新たな「出品者」を募っている「団体展」だと思って間違いない。
で、善良な素人絵描き達に君臨するのが、芸大・美大出の正会員の先生達、というわけである。

(行変えは適当に調整)
で、疑惑の人物がもう一人。
天漢日乗: 盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その5) なぜ他の画家達は和田氏の「画業」について口を噤んでいたか

115 :わたしはダリ?名無しさん?:2006/05/30(火) 06:45:32
小生、長年の和田ファンです。

どうしてこんなことになってしまったんだろう??
という思いしか今は沸いてこない。

振返ってみれば、十数年前に最愛の奥様に先立たれた後に歯車が狂ってきたのかもしれない。
彼の技量と才能は高校当時から周囲が認め、超難関の芸大へも現役での入学だったというのに。
そこで、奥様と知り合い傍目から見ても実に"せつない"夫婦だったと思う。

代々木に居をかまえ、程なく奥様を亡くされた時の落胆振りは今でも鮮明に思い出す。
このままつぶれてしまうんじゃないだろうかと周囲が心配したぐらい。

評論家の米倉守氏がかつて難解な評論を美術雑誌に書かれた時に、ご本人が心から悦んでおられたことも思い出した。

この先、おそらく海外へ行って制作の日々を送ることになるのではないかと思っているが、いつかもう一度復活を願わずにはおられない。

この「評論家の米倉守氏」に関しては、こんな感じです。
天漢日乗: 盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方(その11) 和田義彦氏の守護天使・美術評論家米倉守氏

この盗作疑惑に関して、どうも新聞の動きが鈍い。和田義彦展を主催した読売が取り上げたくない気持はわかるが、朝日も及び腰だ。何故だろう、と思ったら、森村誠一公式サイトにその答があった。
(中略)
なるほど、朝日の腰が引けてる理由は大先輩の美術評論家米倉守氏のお気に入りの洋画家・和田義彦氏だからか。「朝日人」なんて摩訶不思議な機関誌がある会社だからなあ。朝日は美術評論で米倉守氏の署名原稿載せてるしね。最近はどうだったかチェックしてないけど。
で、
 和田義彦氏 1940年三重県生まれ
 米倉守氏  1938年三重県生まれ
というわけで、二つ違いの同郷人だ。そりゃ、米倉氏が眼をかけたくもなるでしょうよ。
あとは、米倉氏が審査や推薦に関わってる賞や催しにどのくらい和田義彦氏が絡んでるかをチェックすると、結構面白いかもね。

(行変えは適当に調整)
ただ、少し話がずれますが、絵を描くときに写真を見ながら描く、というのまで盗作・パクリというのはどうだろう、というのもあったり*2
ちょっとこれを見て思ったので。
また悪質な嘘プロパガンダにだまされているアーティストがいるわけですが
ここで紹介されている「DU Child」の絵は、以下で掲載されている写真の7枚目を見ながら描いたものと思われますが、
Gulf war syndrome birth defects in Iraq extreme birth deformities from depleted uranium ammunition(日本語訳:DUによる重篤な先天性の奇形)※要注意画像
こういうのまで「盗作・パクリ」というのは少し厳しいかもです。
要するに、ぼくとしてはもう少し真相が知りたい、という慎重な姿勢です。
ただ、美術系の業界・人脈つながりと、相互依存関係について調べると、これはこれで左翼団体と同じぐらい面白そうなものが出てきそうな感じです。何しろ一応金の動く業界なので。
今回のぼくのテキストは、「天漢日乗」の人のパクリ、じゃなくて引用です。
おまけ。
ソックリ広告博物館
(2006年6月5日)
 

*1:に限らず全世界でも似たようなものだろうけど

*2:絵を見ながら描く、というのは盗作・パクリだとは思いますが