よしもとばななさんの日記と世界観を肯定的に考えてみる

 これは以下の日記の続きです。
俺が居酒屋の店長だったら、次によしもとばなな御一行様が来られたら「あいすみません、本日は予約で一杯でして」と多分言うね
 
 一応、よしもとばななさんの公式日記もあるわけで、
よしもとばなな公式サイト | トップページ
 そこの公式日記からこんなのを引用。
よしもとばなな公式サイト | 日記 | 2009年08月

2009.08.04

今日はエアコンと冷蔵庫と洗濯機が来る日。
そして成田さんのタンスがやって来る日。
蓮沼さんと成田さんがバンでやってきて、すごく嬉しかった。タンスも当初と位置を換え、机も運んでもらい、やっと部屋がいい雰囲気になる。
ヨドバシカメラの下請けの配送業者さんがやってきて、冷蔵庫も洗濯機も階段の幅がどうだ、カウンターがどうのこうので入らないと言っている。成田さんがすかさず「手伝ってやるよ、カウンターを越えて運べばいいんだろ、男5人いたら簡単だ」とかっこよく言う。しかし先方は「お客さんに手伝ってもらうことはできない、だから、カウンターの手前に置くから、自分でやれ、こっちの人手は貸せない」などと言っている。
自分がせっかく運んできた冷蔵庫が、目の前で人手が足りないことによって、お客さんが落っことしたりして、たとえば壊れても、仕方ない、そうなったら責任は客にあるから問題が起きない、というわけだ。
ヨドバシの人に「あほじゃないか?」と文句を言ったら、「こちらではなんとも、業者さんの会社の責任でして」などと言っている。いやな世の中だね〜、分業にしちゃってるから責任のたらいまわし、まあ、それにつけこむ客もいるからってか。
そして増員なら今から手配するから3時間待てとか言っている。意味なく炎天下の3時間、外においてある冷蔵庫と洗濯機。男手が意味なく5人、その場でぶらぶらしている。
ほんとにばかみたいな世の中になっちまった…。
自分にはなんの権限も判断もしない、ロボットみたいな変な仕事を毎日汗水たらしてする人たち。持ってきたものの無事やその家庭に家電が入って喜ばれることよりも、責任問題のほうが大事な人生。かわいそうだなあ。
で、結局、カウンターの前までその人らが運んで、成田さんと蓮沼さんとヒロチンコさんで冷蔵庫を入れた。それをじっと立って見ている力のある若い配送の人たち。
そのあと洗濯機をその人らがふたりでなんとか運んで、手伝うなと言っているので、みんなでじっと見つめる。
ほんと〜にばかみたい。
怒っているのではなく、狂ってるなと思うだけだ。
人生を、助け合ったり、自分で判断したり、決めたり、失敗したりする権利を持っている俺たちはそのあと楽しく浜に行き、夕陽をみたり花火を見たり、あじ平でおいしいラーメンを食べたりしたが、その人たちは責任問題はいろいろ大変だから、クレームをつけてくれるなよと説明して、汗だくで帰っていった。うまい酒が飲めなさそうでかわいそうだ。その仕事に生きがいを求めろというほうがむりだろう。

(太字は引用者=ぼく)
 これに対して、こちらではこんな意見が。
よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 自動ニュース作成G

(前略)
[#106] (rqnefj) この人はなんだかしょっちゅう「底辺職業人」を見つけては優位に浸って喜ぶ癖があるみたいね。8月4日参照。俺はヨドバシで買ったクーラーの取り付け作業を手伝って一緒にやったけどなあ。この人からクレーマーオーラが出すぎててビビるんじゃないの、みんな。
(中略)
[#123] (xmgzgt) #106 そうじゃないだろ。マニュアルに縛られすいていて柔軟な対応ができなくなってきた社会を批判してるわけだろ?
[#124] (xmgzgt) 似たような意見の人がいた 『彼女は、この件だけでなくて、大量生産/大量消費、アメリカ型に染まりつつある日本について、色々と指摘していた。例えば、地場の商店街がどんどんなくなり、モールだらけになっていくこととか。メニューが複雑化して、売っている本人たちもなんだか分からなくなっていく商品ラインナップとか。』

 引用元のテキストから。
id:kobeni_08 - kobeni_08 - はてなハイク

ばななさんのエッセイなど他のも読んでいる人ならわかると思うんだけど、
彼女は、この件だけでなくて、大量生産/大量消費、アメリカ型に染まりつつある日本について、色々と指摘していた。例えば、地場の商店街がどんどんなくなり、モールだらけになっていくこととか。メニューが複雑化して、売っている本人たちもなんだか分からなくなっていく商品ラインナップとか。
その前提で読むと、彼女が、「私を特別扱いしてくれなかったチェーン居酒屋が悪い」などということを言いたいのではない、ということが分かるはずだ。
(中略)
コンビニのレジって、いつ無人化するんだろう?って思うことあるけど、機械的な対応に慣れた客は、機械的な店を増産させるんじゃないかな。
人が人をもてなす、というシンプルな喜びを、あの店長が奪うだけの妥当な理由が見つからない。
居酒屋業界に、なぜ人が定着しないのか。
人から、働く喜びを奪って効率化を進めすぎることは、経営者以外「お前いらない。ぜんぶ端末でいい。」に、カンタンにとって代わられるんじゃないかと、私は思いますけどね。

id:kobeni_08でひとこと - はてなハイク
 なるほど。
 よしもとばななさんのテキストは、当初に引用されて批判された部分だけではなく、他の、彼女の「世界観」を含めて意見を述べなければいけない、という感じなのでした。
 まだまだいろいろな意見があるようですが、
はてなブックマーク - よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。
 ぼく自身の反省としては、やはりテキストの一部でその人の何かを批判的に語るのはもう少し慎重にしたいものだ、ということでした。
 
(追記)
 こんなテキストも。
よしもとばななが嫌なヤツなんていまさら確認することじゃない

そして、あえて、よしもとばななの小説をあんまり読んだことないけど、印象で語ると、仲間うちの出来事があって、それを友達に語っているような小説ばかりのような気がする。
そんで、最近はオカルト小説か。
よしもとばなな作家として伸び悩んでいるのはやっぱり他者に対する想像力がないからじゃないだろうか。
だから、仲間うちの出来事を書く小説かあるいは分からない現象はすべてオカルトの理論で分かろうとする小説になってしまうのだろう。
今回も本人はなんで叩かれているのか分からないと思う。
まあ、そうはいっても小説家なんて、嫌なヤツでいいし、エッセイなんて小説家のファンクラブの会報誌みたいなもので、作家がファンのために書いているものだし、ネットに上げてるのはいいとしても、それを叩いてやるなよと思う。

 最近の若い人は、よしもとばななを読んでいるのでしょうか。