芋畑で園児を泣かせた北巣本保育園と戸田久和(戸田ひさよし)議員との関係、および第二京阪道路と公明党議員の関連について。
これは単純に「芋掘りイベント中止」ということで、「サンタさん脱税容疑で逮捕」のためにクリスマス・イベントが中止になった幼稚園・保育園児のようなもの。オトナのおいらもちょっと泣いちゃうよ。
以下の新聞報道から。
→保育園の野菜畑 行政代執行で立ち退きへ 大阪・門真 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
→保育園の野菜畑 行政代執行で立ち退きへ 大阪・門真 (2/2ページ) - MSN産経ニュース
保育園の野菜畑 行政代執行で立ち退きへ 大阪・門真 (1/2ページ)
2008.10.16 00:48
行政代執行を受ける予定の野菜畑を訪れた北巣本保育園の園児ら=15日午後3時10分、大阪府門真市(永原慎吾撮影)
第二京阪道路(京都市伏見区−大阪府門真市)の建設予定地に位置する北巣本保育園(門真市)の菜園が、16日に大阪府が行う行政代執行によって撤去される。近くサツマイモが収穫時を迎え、園児らがイモ掘りを楽しみにしていたといい、同園では「橋下知事は“子供が笑う大阪”と言っていた。なんとか子供の楽しみと食育の場を奪わないで欲しい」と懇願するが、府は「これ以上待てば、工事に差し支える」と強硬な姿勢を崩さない。
野菜畑は同園理事の松本剛一さん(49)個人の土地だったが、20年ほど前から園児たちの菜園として提供。園児らは毎年、サツマイモやトマト、ピーマンなど四季の野菜を育て、近所の幼稚園児らとともに収穫、食べるのが恒例行事だった。
松本さんは、平成15年に用地買収の交渉が始まっても「畑は園児たちにとって食べ物のありがたさや自然の雄大さを学んでもらう大切な場所」として用地売却を拒否していたが、今年3月に強制的な立ち退きが決定した。決定の取り消しを求めた大阪地裁での裁判でも「同園での食育活動は、他の代替地でも可能」などとして訴えは棄却され、現在も係争中だ。
保育園では14日、保護者らとともに、府などに対し「高裁の判断も30日に出るし、あと2週間、芋掘りまで待ってほしい」という内容の要望書を郵便とファックスで送った。
しかし府は「これ以上の延期すれば工事が間に合わない」と行政代執行を断行する構えだ。
松本理事は「どうしてあとわずか2週間が待てないのでしょう。子供たちが育てた作物を奪う権利が、だれにあるのでしょうか。高速道路ができれば排気ガスなど園児への影響も心配です」と話している。
産経は強制代執行の前日にも写真を撮っているようです。
当日の記事。
→野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
→野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行 (2/2ページ) - MSN産経ニュース
野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行 (1/2ページ)
2008.10.16 11:32
壊されていく畑を泣きながらにらむ園児たち=16日午前8時12分、大阪市門真市(桐山弘太撮影)
第二京阪道路(京都市伏見区−大阪府門真市)の建設予定地に位置する北巣本保育園(門真市)の野菜畑を撤去する大阪府の行政代執行が16日早朝から始まった。保育園側は2週間後に近くの保育園と合同でこの野菜畑を使ったイモ掘り行事を控えており、職員ら約50人が「子供たちの野菜を奪わないで」と反対の声をあげたが、府は代執行を強行。園児らが育てた野菜を刈り取り、敷地の立ち入り禁止措置を取った。
橋下徹知事は「府はこれまで誠実に交渉してきた。供用開始が遅れると通行料で6億、7億円の損害が出る。申し訳ないが理解していただきたい」とコメント。「イモ掘り行事まで待ってほしい」という要望には「なぜ2週間早くイモ掘りをしなかったのか。もっと早く園児を喜ばせる方法があったはずだ」と保育園側の対応を批判した。
これに対し、野菜畑の所有者で同園理事の松本剛一さん(49)は「イモがちゃんと育つにはあと2週間はかかるし、そもそも代執行の通知があったのは10日前で行事変更にも無理があった。府の都合で子供の気持ちを踏みにじったのは許せない」と怒りを隠しきれない様子だった
代執行はこの日、午前7時半から開始。府職員ら約100人がシャベルやカマなどで園児らが今春から育ててきたサツマイモやトマトなどを刈り取った。作物は段ボールに入れられ、府が保管。園側の要望があれば返却されるという。
保育園の職員や保護者らは「子供たちが育てたお野菜です」などと記されたプラカードを掲げ「子供たちの野菜を奪う権利が橋下知事にあるのか」と声をあげ、あたりは一時騒然となったが、府は周囲をフェンスで囲い、敷地内を立ち入り禁止とする措置を取った。野菜畑には登園前の園児も立ち寄っていたが刈り取られた野菜を前に涙ぐむ場面も見られた。
野菜畑は約20年前から園児用の菜園として利用。第二京阪の建設のため、平成15年から用地買収の交渉が始まっていたが、保育園側は「大切な食育の場」と拒絶していた。
府は今月6日、強制的に撤去させる代執行令書を保育園側に交付。園側は立ち退き取り消しを求めた裁判を起こした。訴訟はまだ係争中で、大阪高裁が30日に決定を出す予定となっているが、府は高裁決定を待たずに代執行に踏み切った。
朝日新聞の報道。
→asahi.com(朝日新聞社):第2京阪用地に行政代執行 園児の農作物引き抜かれる - 関西ニュース一般
第2京阪用地に行政代執行 園児の農作物引き抜かれる2008年10月16日
府の行政代執行に抗議する人の中には、うつぶせになって園児らの植えたサツマイモ畑を守ろうとする男性もいた=16日午前9時39分、大阪府門真市、日置康夫撮影
大阪府は16日、第2京阪道路の用地として、門真市の北巣本保育園の畑771.17平方メートルに行政代執行をかけ、強制収用した。月末の芋掘り交流会に向け、園児たちが育ててきたサツマイモや落花生が引き抜かれ、整地された。
午前7時半、大阪府用地室の職員ら100人が農地を囲うフェンスを撤去し、代執行を宣言。8時から、農作物を引き抜き、ご神木のエノキの下にある地蔵尊などを撤去した。
畑には早朝から、保育園理事の松本剛一さん(49)ら約30人の地域住民、園児の保護者らが集まり、「収穫までのあと2週間をなぜ待てないのですか」と抗議した。「サツマイモ畑には子どもの思いがどれだけ詰まっていると思っているのですか」と、叫ぶ保育士らが畑にうつぶせになり、府職員が数人がかりで排除する場面もあった。
松本さんが出している執行停止の申し立てについて、大阪高裁が30日に決定を出す予定。司法判断を待たなかった理由について、府は「10年3月末に予定されている第2京阪の全線供用開始に間に合わなくなるため」としている。
第2京阪道路は、京都市伏見区と門真市を結ぶ28.3キロの自動車専用道路で、国道1号の渋滞を緩和させる役割が期待されている。浪速国道事務所によると、事業用地は保育所の畑を除き、まだ7件、約3千平方メートルが未買収だ。(阿久沢悦子)
事件後の報道の例。
→asahi.com:橋下知事「園児の涙利用」と保育園側を批判 行政代執行 - 政治
大阪府の橋下徹知事は17日、第2京阪道路の用地買収に応じなかった門真市の北巣本保育園の畑を行政代執行で強制収用したことについて、「政治的な主張や反対の理由はあると思うが、園の所有者は園児たちの涙を利用して阻止しようとした。一番卑劣な行為だ」と批判した。
同保育園では今月末にイモ掘りを予定しており、園児たちが育ててきたサツマイモなどが16日の行政代執行で引き抜かれた。
橋下知事は「4月から任意交渉はしている。最大の権力行為なので慎重にやった。最後のイベントをやったら立ち退きます、という話があれば応じた」と説明。「もしあれを認めたら、これから公の工事は家庭菜園かイベントで全部阻止になるのか。工事費や損害などを府民が持つならいいが、府民の声はそうではないと判断した」と語った。
一方、同保育園の松本剛一理事は「代執行の反対運動に園が園児を動員した事実は一切ないし、むしろ子どもにはショックを与えたくないので、畑がなくなると知らせることも避けてきた。子どもの涙を利用したと取られるのは心外だ」と話している。16日の行政代執行では、祖母に連れられて通園途中に畑に立ち寄った園児が1人いたが、5分ほどいただけで祖母がすぐに保育園に送ったという。
→J-CASTニュース : 大阪の「涙の園児イモ掘り」問題 行政のごり押しなのか
大阪の「涙の園児イモ掘り」問題 行政のごり押しなのか
2008/10/17
大阪府が、第2京阪道路の建設予定地で、用地買収に応じなかった大阪府門真市の北巣本保育園の畑を行政代執行で強制収用したことをめぐり、橋下知事は涙を浮かべる園児の姿が報道されたことに言及、「園児の涙を利用した」と批判した。一方、土地の所有者である保育園理事は「園児を動員した事実はない」と主張する。ただ、行政がごり押しした結果、というほど単純な話ではないようだ。
「芋を掘ってくださいと何度もお願いした」
大阪府の行政代執行が行われたのは2008年10月16日の朝。保育園側は、2週間後の10月31日に他の保育園と合同でこの野菜畑を使ったイモ掘り行事を予定していたため、保育園側が「子供たちの野菜を奪わないで」とこれに抵抗した。テレビなどで、子どもが涙を流す姿が報じられ、府側の職員と保護者などがもみ合う現場に泣きじゃくる子どもの姿も映された。「非常に心苦しいことだが、府民の方々からは子どもを巻き込んだとのご指摘もあった。しかし、こちらとしては誠意を尽くした結果。話し合いで解決できずに非常に残念だ」
こう話すのは府都市整備部用地室の担当者。府庁には、行政代執行をめぐり批判が相次いでおり、職員からは「やはりあの映像(園児の涙)のせいでは・・・」といった声も聞かれる。映像を見ると「念願だった園児たちの芋掘り行事を踏みにじった行政」という印象が拭えないが、府都市整備部用地室の説明ではこれとは少し違った側面が浮かび上がってくる。
府側は2003年から保育園側と野菜畑の用地買収についての交渉を開始。08年4月、府の収用裁決で西日本高速道路会社に所有権が移転したが、土地の所有者の松本剛一理事は土地の強制収用の執行停止を大阪地裁に申し立てた。しかし、08年10月1日に却下され、大阪高裁に即時抗告していた。
府都市整備部用地室によれば、府側は08年5月〜8月にかけて行政代執行の通告書を持参して直接交渉したが、受け入れられなかったという。府側は保育園の芋掘り行事があることも認識しており、「芋を掘ってくださいと何度もお願いした」。10月11日〜13日の3連休に芋掘りをしたらどうか、といった提案もしていたが、断られたという。さらに10月16日の代執行の途中で、保育園の弁護士からの「園児に芋を掘らして欲しい」という要請も受け入れたが、松本理事に最終的に拒絶された、という。
第2京阪道路の建設は違法という主張が背景にある
橋下知事は2008年10月16日、行政代執行を2週間遅らせられなかったのか、という指摘に対し、「2週間遅れると6億、7億の通行料の損が出てくる」
「逆に僕から言わせてもらうとなぜ2週間早く芋掘りをしていただけなかったのか」と反論した。「芋を掘ってくださいと何度もお願いした」ことが念頭にあるものと思われる。また2008年10月17日付け朝日新聞(夕刊)では、「政治的な主張や反対の理由はあると思うが、園の所有者は園児たちの涙を利用して阻止しようとした。一番卑劣な行為だ」と述べたと報じられている。
松本理事はJ-CASTニュースに対し、「子どもを楯にしているという批判もあるようだが、園児を動員したという事実はない。子どもにはショックだろうということで保育園にいてもらった。映像に映った子どもは(保育園に)向かっている途中に、保護者が『何事か』と立ち寄り、その保護者が子どもを連れていたということ」
と説明する。また、行政代執行の途中での芋掘りの提案を断った理由については、「他の畑が踏み荒らされ、職員が100人近くいるなかで、園児が楽しい気持ちで芋掘りできない」と説明している。
知事と松本理事の説明はすべてすれ違っている。
松本理事は橋下知事の発言について「園児の涙に話をすり替えたいようだが、もともとは道路事業の必要性の問題がある」「逆ギレだ」と指摘。第2京阪道路の建設についても違法だとした上で、国の事業認定の取り消しを求める訴訟を06年2月に大阪地裁に起こした、としている。つまり、芋掘り行事を最後まで前倒ししなかった理由は「芋がまだ小ぶりだった」ということのほかにあるようだ。
各所ブログでの反応。
→保育園のイモ畑を潰した大阪府は本当に鬼畜なのか? - 狐の王国
ここまででわかったことは以下の通り。
- 交渉期間は5年程度
- 強制立ち退き決定から植え付け実行まで2〜3ヶ月程度
- 大阪府の土地収用における補償の内容が不明
- 履行期限が不明
- 代替地候補の有無も不明
- 保育園のサツマイモ収穫は10月末ごろを予定
- 通常普通栽培におけるサツマイモの収穫は9月下旬から11月上旬
保育園側に対する疑問は以下の通り。
- 決定から2〜3ヶ月で代替地は探せなかったのか
- 履行期限と収穫日程の調整は行ったのか
- 5年に及ぶ交渉期間内で代替地候補はまったく出てこなかったのか
- 立ち退き取り消し裁判は勝算がほんとうにあったのか
大阪府に対する疑問は以下。
- 代替地ないし代替地を買収可能なだけの資金は補償したのか
- サツマイモを今年も植え付けていたことは知っていたのか
- 収穫日程と履行日の調整は可能ではなかったのか
そして何より産経新聞への疑問は、こういった情報を取材できなかったのか、ということである。
強制代執行に関しては、賛否両論のブログを並べてみる。
→BattleRock Blog: 保育園代執行で大阪府が本当に鬼畜な理由
この件での大阪府はマジで鬼畜。保育園のイモ畑を潰した大阪府は本当に鬼畜なのか?(狐の王国)はまったく事態が見えていない。いい加減にしろよ、お前ら(シートン俗物記)は方向性はよいけれど、残念な感じ。野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行(産経ニュース)は重要な部分をさっくりとスルーしている。
行政訴訟では処分の取消訴訟を提起しても、原則としてその後の手続は停止しない。「執行停止の申し立て」というのは、手続が進行による重大な損害を避けるための緊急の必要がある場合にのみ認められる仮の救済手段である。保育園がこの決定を得ることができれば、大阪府は手続を先にすすめられない。大阪府はこの決定を待たずに代執行することで既成事実を作って、訴訟の間も先の手続を止められないようにしたのだ。手続さえ止まらなければ、大阪府は訴訟の間にすっかり道路を作ってしまうことができる。道路さえできれば、裁判所も安易に大阪府を負けさせられないと考えているのだ。
→兵庫の日記〜blog edition〜:芋畑問題と執行停止制度の問題点
当事者には申し訳ないが、行政法の色々な部分について復習するいい教材と言えないこともない。土地収用法とか行政代執行法とか行政事件訴訟法とか、実体・手続の両面に渡って論点がてんこ盛りな感じではある。とはいえ、記事のトーンが全体的に「お涙頂戴」的な感じで、あの産経新聞が「市民」サイドに立ってこんな記事を展開するあたり、産経新聞がいかに橋下知事を嫌っているかが浮き立つような感じがして、なんだかなあという感じで模様眺めしていた。なんといっても、行政訴訟は執行不停止が原則であり、執行停止が認められなかったのならそれも仕方ないなあと思っていたのである。
→○○○!知恵袋 橋下知事は鬼畜ですか? - いしけりあそび - Yahoo!ブログ
このエントリーをお読みいただければわかるとおり、誠実に交渉しただの、2週間はやくイモホリしろだのという橋下知事の発言は、およそ見当ちがいなのです。ただ、これが争点そらしのための悪質な煽りなのか、素でいっているのかはわかりません。というのも、わたしは法律に関する彼の発言をきいていると、しばしばこの人のアタマのなかはどうかしているのかと思うことがあるので。
法律関係に関してはよくわからないうえ、まだまだ言及しているブログも多いのでこのくらいにして、いろいろな資料を見るには、以下のブログが参考になりました。
→おしまい雑記(新居): 北巣本保育園の農園となっていた農地に対する代執行の件 #1 事実関係について
定型的な報道はMSN産経の記事でも読んでいただくとして。
まず事実関係を、表題の農地(以下「当該農地」という。)の旧所有者であり保育園理事でもある松本剛一氏に近い政治的立場にあると見られる戸田ひさよし門真市議の一連の記載と、それと対立していた格好になる大阪府が10月16日付けで発表したプレスリリースを元に確認したい。以下、戸田氏ウェブサイト及びその掲示板での言及を[戸田]、[戸田]所引の松本氏の陳述書「園部一成 門真市長に訴える 第二京阪道路建設によってこども達の菜園を奪わないで」の記載を[松本]、同じく「ムーブ!」による一連の報道の内容を[ム]、その他今回の事件についての報道を[報道]、府のプレスリリースでの言及を[府]とする。
H20.4.10以降H20.6以前
収用の結果、所有権が西日本高速道路に移動したため、門真税務署(?)、松本氏に対する「農地等についての相続税の納税猶予」を取り消し、納税通知書を発付。この納税猶予制度では20年間耕作を継続すれば相続税が免除されるところ、猶予19年目にして所有権移転が発生したため取り消されたもの。相続税と利子税を併せてその請求額は2200万円にのぼった[戸田][ム]。
ということで、以下のところにリンク。
→戸田ひさよしの自由自在ホームページ
→北巣本保育園の畑問題
→園部一成 門真市長に訴える 第二京阪道路建設によってこども達の菜園を奪わないで(pdfファイル)
→質問1とその答弁
Q3:門真市美しいまちづくり条例・規則では、このご神木のエノキは「保存樹」に指定される資格が有り、条例規則施行時から、指定されるべきだったのではないか?また、このエノキが環境省生物多様化センターのデータベースに「野神様のニレの木」として登録されているのは事実か?
(中略)
次に、エノキの木と、保存樹の指定についてであります。
保存樹の指定につきましては、本市が『門真市の美観風致を維持するための樹木の保存 に関する規則』第3条に基づき、昭和61年4月、門真市全域において79本について、 保存樹の指定候補として承諾を求めたところ、当時33本の承諾が得られたものであります。
ご指摘の樹木は保存樹等の指定基準は満たしておりますが、当時保存樹として指定され ておりません。
なお、平成19年度末においての指定樹木は、17本となっております。
エノキと地蔵様がノガミ様として祀られてきたことは地域の伝承として聞いてはおります。
また、このエノキが、環境省生物多様性センターの巨樹・巨木林データベースに載っていることは承知しております。
なんか、高度成長時代の悲しい話みたいです。手塚治虫が生きていた時代に、似たような話の漫画があったような。『アリと巨人』だったっけ。
大阪府のプレスリリースから。
→第二京阪道路建設工事に係る行政代執行について
3.代執行の実施について
(1)起業者による代執行請求にいたるまでの交渉状況
・平成15年以来、本件相手方と任意買収交渉を進めてきたが、進展がないため、平成19年2月27日に大阪府収用委員会へ裁決申請。
・その後、平成20年3月11日に土地収用法に基づく収用裁決がなされたが、補償金の受領を拒まれたため、補償金を同年3月に供託し、4月に当該地の所有権を取得。
・明渡期限である平成20年4月10日を過ぎても立ち退かれないため、自主的な明渡しを求めて誠意交渉を重ねてきたが、現在に至っても未だ物件撤去及び土地の明渡しがなされていない。 (交渉回数延べ33回)
なんで明け渡しをしたくなかったのか、下賎に考えると「金の問題(ゴネ得?)」とかがあるんでしょうか。しかし納税猶予対象の土地の期限が20年なのに、19年目で対象から外してしまうというのはあまりにもひどいので、園児泣かせるよりもそのほうで世間の同情を集めたほうがいいようにも思えました。
ちなみに、理事長の「松本剛一」さんは「かどま9条の会」のメンバーのようです。
→「かどま九条の会」 よびかけ人
松本 剛一 (社会福祉法人北巣本保育園理事)
で、あとはぼくが気になって調べたことを追加しておきます。
まず、松本ひさよし議員と「北巣本保育園」との関係ですが、
→門真市役所 -市議会-
発言検索をしてみると、以下のようなことが言われてました。
平成20年第 2回定例会−06月24日-02号
◆5番(戸田久和君) 5番鮮烈左翼の戸田です。反対討論を行います。
まず、議案第30号及び第32号は、保育園の一挙4園の民営化のための議案です。
(中略)
最後に、私は民営化が絶対にいかんとは思ってません。私自身の子供も北巣本保育園に通いました。民間と公立との共存共栄、それぞれの特徴をやればいいと思う。
あと、検索をかけてないんですが、戸田ひさよし議員のサイトから。
→2000年9月議会(9/28)戸田の一般質問通告書
@第2京阪道路用地約1000坪を10数年間も不法占拠していた辰巳建設に関して、私が問いただした3月議会終了後に、ようやく事情聴取と書面での注意指導がなされたとのことだが、その実態と市の見解を問う。
@業者側より「不法占拠はしていない」とか「所有者の了解を得ていた」とかの供述があったのか。
@ないはずである。そうであれば、所有者側がなぜか告発や損害賠償請求をしないという不可思議な対応があったとしても、これほど長期・大規模な不法占拠という犯罪行為は客観的に明らかであるのに、なぜ書面注意程度で済まされるのか。不法占拠は親告罪ではない。
@これは要するに門真市では、業者の犯罪行為が客観的に明らかであっても、被害者当事者からの告発や警察の捜査がなければ、公共工事の指名業者から外されることはない、という市としてのメッセージであると解してよいのか?
@この件に関する書類を情報公開請求中である。早急に開示されたい。
業者の「不法占拠」には厳しい追求をしていた人のようです。
それから、大阪府議会では別の人のこんな発言も。
→大阪府議会ホームページ
平成19年9月定例会都市整備常任委員会-10月09日−01号
◆(谷口昌隆君) 公明党の谷口昌隆でございます。私からは、第二京阪道路供用の進捗状況を初めとして、四つの質問について御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、第二京阪道路は、国道一号の慢性的な渋滞を緩和することにより地域経済を活性化させるだけでなく、広く関西圏の発展に寄与する重要な道路であります。また、基幹的な都市施設として、沿線の区画整理事業などの開発とともに新たなまちづくりを促進する道路であることから、地域の発展のために一日も早い供用が望まれております。
私ども、この第二京阪道路の沿線市選出の府会議員で第二京阪道路建設推進議員連盟を結成しておりまして、毎年国や西日本高速道路株式会社に対して要望活動、これも強い要望活動を行っているところであります。
平成二十一年度末の全線供用まで残すところ二年半となりました。寝屋川市域でも寝屋地区あるいは国道一七〇号線付近で既に橋脚が立ち並んでおりまして、工事も目に見えて進んでいるところであります。
そこで、まず用地買収や工事など現在の進捗状況についてお伺いをいたします。
第二京阪道路を作りたがっているのは「第二京阪道路建設推進議員連盟」と、それに所属する公明党の人だということが判明。どなたかここらへんの事情については、くわしい人が教えてください(なんかあんまり新聞には載らないようなことがありそうな気がする)。アカハタとか、記事にどうですか。
→冬しば鉄三 | ニュース記事 地域経済を活性化 第二京阪道の開通を 冬柴国交相に議員連盟 福島氏ら同席
冬柴鉄三国土交通相(公明党)は4日、国交省で、超党派の大阪府議会議員で構成する「第二京阪道路建設促進議員連盟」から、同道路の2009年度の全線供用に向けた整備促進を求める要望を受けた。これには、公明党の福島豊衆院議員、谷口昌隆、鈴木和夫の両府議が出席した。
同連盟側は、第二京阪道路の全線開通は国道1号の渋滞緩和に貢献し、地域経済を活性化することにもなると説明。また、「安全で快適な、まちづくりを進めるためにも重要」と述べ、同道路の早期整備を求めた。
これに対し、冬柴国交相は、「要望は十分に理解した」と答えた。
あと、「asahi.com(朝日新聞社):第2京阪用地に行政代執行 園児の農作物引き抜かれる - 関西ニュース一般」の記事にありました「事業用地は保育所の畑を除き、まだ7件、約3千平方メートルが未買収」という件ですが、以下のところによると、
→第二京阪道路の事業の流れと進捗状況
2008年7月末の段階では、未買収は9か所の様子だったようです(門真の1か所が芋畑のところなのかは不明です)。
ということで、少し調べてわかった、他に書いてない事実。
1・戸田ひさよし議員の子供は北巣本保育園出身
2・戸田ひさよし議員は業者による第二京阪道路予定地の(不法)占拠には厳しい様子
3・第二京阪道路建設には公明党がズブズブ(それに橋下知事は押されているのかも)
4・未買収の土地はまだまだ、8か所ぐらいある
個人ブログで他に面白かったのは以下のところでした。
→論楽社ほっとニュース
→論楽社ほっとニュース | 強制執行される『こうちゃんのはたけ』――まるで死刑執行のように
強制執行される『こうちゃんのはたけ』――まるで死刑執行のように
10月16日(木)の朝7時に、紙芝居『こうちゃんのはたけ』(注)の畑が、行政代執行されます。
強制執行です。北巣本保育園の子どもたちが育ててきたサツマイモ、ピーナッツ、ナス、ピーマンは刈りとられます。何百年もの間、ひとびとを見守ってきたお地蔵さんも撤去されます。エノキの大木(ご神木)も、伐採されます。
それぞれが死刑執行のように、殺されるのです。
大阪地裁は10月1日に、同地への強制執行停止の申し立てを却下しました。大阪高裁に松本剛一さんが即時抗告し、同高裁が「10月30日に決定を下す」と言っています。しかも、事業認定の取り消し、収用裁決の取り消しを求める訴訟が同地裁で審理中です。
それにもかかわらず、なぜ強制執行を大阪府(橋下徹知事)は急いで行うのでしょうか。
私には理解できません。そして、残念でなりません。
たとえ意見・主張が違っていても、同じ土俵の上に立ち、回しをとりあって、言論戦を展開する気風が日本社会はもっともっとあってもよいと思います。とくに権力者にその気風がほしいものです。
権力者のパワーの源泉は、言うまでもなく、民意です。しかも、民衆の多数派によって権力は形成されます。
いったん権力を取った多数派は、保持しているパワーの大きさゆえに、少数派や異端者、反対者の主張にギリギリまでもっともっと譲歩できるはずです。権力を乱用してはならんのであります。それが治者の責任というものであり、器量というものです。なぜ問答無用の強制執行なのか、私にはわかりかねます。
10月16日(木)は、朝7時に現場に駆けつけて、執行の具体的なありようを、しかと見届けようと私は思います。
(注)「ここでずっと生きていたい――紙芝居『こうちゃんのはたけ』の誕生」(連載コラム121回、2007年10月25日)、ほっとニュース「最後まで失ってならないもの」(2008年1月24日)をごらんくださいね。
→論楽社ほっとニュース | 連載コラム「いまここを紡ぐ」(第121回)ここでずっと生きていたい――紙芝居『こうちゃんのはたけ』の誕生
ひとつの紙芝居が、生まれる。誕生である。
『こうちゃんのはたけ』だ。「え・ぶん」は、中平順子さん(注1)。
主人公の「こうちゃん」は、松本耕一くん。4歳である。
そのお父さんは、松本剛一さん(注2)。大阪の門真(かどま)で、北巣本保育園を運営している。梁瀬義亮さん(注3)に師事した有機農法家でもある。
(中略)
こんな物語である。「今から450年昔、戦国時代が終わるころ、ここは石ころだらけで葦や笹のはえた湿った河原でした。その頃に、信州の松本に住んでいた耕ちゃんのご先祖様が、この地に移って、“松本”という名を名乗り住み着きました。そして、土手を築き、耕し耕し、川があふれる大水を何度も乗り越えながら、田畑にしてきたのです。」
450年間耕しつづけられた畑の一画に、樹齢300年のエノキがある。このエノキは、農神様(のがみさま)の木として、大切にされている。エノキの根もとには、地蔵菩薩が立ってる。
「農神様の木とお地蔵様は、いつもおしゃべりしています。そばに行って、耳をすませて聞いてごらん……聞こえるでしょう?」
「ほら、見てごらん! いま、耕ちゃんの畑の周りで、大変なことが起こっています。畑のすぐそばで、高速道路の工事が進んできているのです。」
「『ねえ、お父さん、畑なくなっちゃうの?』『いや……だいじょうぶ。』お父さんは、空を見上げました。おかあさんも、やさしくうなずきます。農神様の木は、輝くような新緑の葉をいっぱい茂らせています。そして、5月の風にさわさわとゆれながら、『ここでずっと生きていたいよ!』ってね。」
(後略)
だから、フィクションとドキュメンタリーとノンフィクションを混同してはいけないと何度言えば。
(2009年8月9日追記)
その後の関連情報。
→asahi.com(朝日新聞社):TBSに倫理違反で勧告 BPO委、イモ畑収用放送巡り - テレビ・ラジオ - 映画・音楽・芸能
TBSに倫理違反で勧告 BPO委、イモ畑収用放送巡り2009年8月8日
道路用地の強制収用に保育園が園児を「盾」にして抵抗した、と誤解される内容をTBSテレビが放送した問題で、NHKと民放でつくる第三者機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は7日、「保育園の名誉を傷つけた疑いが強く、重大な放送倫理違反があった」と認定。放送倫理と人権に配慮した「しかるべき措置」をとるようTBSテレビに勧告した。
勧告では、TBSが行った訂正放送についても不十分だったと指摘。あるべき内容として4条件を示した。
問題になったのは昨年10月19日放送の情報バラエティー番組「サンデー・ジャポン」。道路建設のため大阪府内の保育園のイモ畑を強制収用した大阪府職員に対し、園児たちが畑に並んで抗議しているように見える映像を流した。だが、園児の映像は強制収用の前日に撮ったものだった。
また、強制収用をめぐる訴訟が係争中だったのに、判決が出ていると誤って伝えた。
保育園を経営する社会福祉法人の理事が抗議し、TBSは11月2日の同じ番組内で、事実の誤りが判明したときに放送法で義務づけられている訂正放送を流した。だが、理事は納得せず、「悪質な捏造(ねつぞう)だ」として放送人権委員会に審理を申し立てていた。
勧告は、「故意に事実をねじ曲げたとまではいえない」ものの、誤った印象を与える結果になったと認定。番組制作にあたって映像を撮影した日付などを示す「報道のイロハ」が欠けていたと批判した。
訂正放送についても「内容は不十分。名誉感情の回復も果たしていない」として(1)視聴者に放送の誤りを知らせ、正しい事実を伝える(2)視聴者に誤報をおわびする(3)放送で被害を受けた人におわびの気持ちを伝える(4)被害を社会的に回復する――の4点が満たされるべきだったとした。
勧告は放送人権委員会が示す最も厳しい判断。「重大な放送倫理違反」を理由とした例は委員会が97年にできて以降、今回が3件目。(赤田康和、村瀬信也)
TBSテレビ広報部の話 勧告の内容を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組作りに生かしていきたいと考えております。
◇
〈訂正放送の内容〉 番組の最後に番組担当のアナウンサーが「保育園側が園児たちを現場に連れてゆき、並ばせたかのような表現がありましたが、そのような事実はありませんでした」と述べた。「強制収用の取り消しを求めた訴訟が地裁で棄却された」と誤って伝えたことも取り上げ、「収用裁決の取り消し訴訟に関しては、まだ裁判所の判断が下されていません」と述べた。最後に、園児の件とあわせて「関係者の方々にご迷惑をおかけしました。おわびして訂正いたします」と謝罪した。