『ぼくはマンガ家―付録・デビュー作品』『『鉄腕アトム』の時代』『おたくの起源』

本日の読みたい本・おすすめ版(2009年2月あたり)。

ぼくはマンガ家―付録・デビュー作品

ぼくはマンガ家―付録・デビュー作品

★『ぼくはマンガ家―付録・デビュー作品』(手塚治虫/毎日ワンズ/1,300円)【→amazon
栄光と挫折の日々。不世出のマンガ家が遺した自伝&マンガ戦国史
『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防

『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防

★『『鉄腕アトム』の時代』(古田尚輝/(京都)世界思想社/2,000円)【→amazon
鉄腕アトム』が拓いた映像の新時代。勃興するテレビ放送産業、暗転する映画産業、転換を図るアニメーション産業。斬新な視点で綴る1960年代の映像産業史。
おたくの起源 (NTT出版ライブラリーレゾナント051)

おたくの起源 (NTT出版ライブラリーレゾナント051)

★『おたくの起源』(吉本たいまつ/NTT出版/1,600円)【→amazon
現在のおたく文化を決定づける「おたくジャンル」は、どのように成立したのか。SF、同人誌即売会、投稿雑誌の成長から、おたく文化の根源と成立を探る。

読みたい本・次点。
『徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち』(望獲つきよ/新星出版社/1,500円)
  文明なき時代に人々が幻獣と出会ってから、今日に至るまでの大きな流れに沿って、さまざまな幻獣を図鑑のように紹介。
『なぞの金属・レアメタル―知らずに語れないハイテクを支える鉱物資源』(福岡正人/技術評論社/1,580円)
  レアなメタルと言うわりに身近なハイテク機器のほとんどに使用されている。携帯電話、パソコン、自動車、宝飾品…現代産業における「米」が鉄ならば、レアメタルは「ビタミン」と言えよう。そんなレアメタルの形成メカニズム、分布や産業そして将来や環境問題について地学的観点から解き明かす。
『江戸時代の親孝行』(湯浅邦弘編/(吹田)大阪大学出版会/1,800円)
  江戸時代の葬送儀礼や落語、森鴎外が題材にした大坂の親子事件等のなかに道徳心の退廃や家族の崩壊の原因を探る。
『ベルギーを知るための52章』(小川秀樹編/明石書店/2,000円)
  1 ベルギーという小国はおもしろい;2 最盛期は建国前という不思議な国―歴史1;3 ヨーロッパのミニチュア国家誕生―歴史2;4 偉人たちから見たベルギー;5 ベルギーと言語問題;6 ベルギーの芸術;7 ベルギーの美味しい話;8 ベルギーのアフリカ・コネクション;9 小さなヨーロッパの首都;10 町の物語
『チョムスキーの「アナキズム論」』(チョムスキー、ノーム/明石書店/3,800円)
  市場万能主義と計画経済という二つの二〇世紀モデルが崩壊し、新自由主義化・グローバル化が席巻している現代資本主義世界のなかで、いかに国家の暴力と資本の非道に対抗するか。「上」からの押しつけや指導・指示ではなく、「自由への本性」にしたがって自分で自分の意識を育んでいくことができるか。―こうしたアナキズムの思想と実践をめぐり、一九六九年から二〇〇四年までおよぞ四十年にわたって「世界の良心」チョムスキーが語り、論じつづけたアナキズム論=自由論の集大成。世界的な政治・経済・社会の「大崩壊」のまっただ中にあるまさに今こそ、アナキズムは、決して止まることなく新たな可能性の地平を切り拓く。
『漱石のマドンナ』(河内一郎/朝日新聞出版/1,800円)
  『それから』『門』『こころ』『明暗』…なぜ三角関係を書き続けたのか!?運命を変えた若き日の恋心をさぐる評伝エッセイ。漱石をめぐる12人の女たち。
『涙の理由―人はなぜ涙を流すのか』(重松清;茂木健一郎/宝島社/1,143円)
  小説家と脳科学者が涙について考えた。「涙を流すとき、脳では何が起こっているんだろう」。小説家と脳科学者の涙の理由を探す旅が始まる。
『長い十八世紀の女性作家たち―アフラ・ベインからマライア・エッジワースまで』(十八世紀女性作家研究会編/英宝社/1,900円)
  長い十八世紀―十七世紀末から十九世紀はじめ―男をだまし、ロマンスに憧れ、恋に生き、愛と友情に悩み、父と戦い、そしてペンを持った女たちがいた。
『小林秀雄の超=近代―セザンヌ・ゴッホ・ピカソ・漱石』(佐藤公一/アーツアンドクラフツ/2,500円)
  戦後の「孤立」の中で、叛逆者たちの「美的エネルギー」を再現前させた『近代絵画』を解析し、『本居宣長』へ通底する批評文学を詳細に論じる。小林秀雄が乗り超えた“近代芸術"のアポリアを検証する力作批評集。
『新名将言行録』(海音寺潮五郎/河出書房新社/680円)
  源頼義、義家、為朝、義朝、北条時頼時宗、高時、竹中半兵衛島津家久、義久、堀秀政黒田如水山内一豊池田輝政宇喜多秀家立花宗茂―。天下の覇を競った将帥から、名参謀・軍師、一国一城の主から悲劇の武人まで、愛情と哀感をもって描く、事蹟でたどる武将絵巻。
『歴史を変えた気候大変動』(フェイガン、ブライアン/河出書房新社/950円)
  人類の歴史を揺り動かした五〇〇年前の気候大変動とは、いったい何だったのか?人口大移動や農業革命、産業革命と深く結びついた「小さな氷河期」を、民衆はどのように生き延びたのか?現在、地球規模の温暖化に直面しているわれわれが決して無視できない問題に、気候学と歴史学の双方からアプローチした名著。
『梅原猛、日本仏教をゆく』(梅原猛/朝日新聞出版/700円)
  日本人はなぜ仏教に惹かれるのか?聖徳太子、鑑真、空海親鸞日蓮蓮如から西行円空千利休、一休、良寛宮沢賢治まで、42人の仏教者の思想と人生をたどり、日本人の精神構造に深大な影響を与えてきた仏教の真の姿をさぐる力作。混迷の時代だからこそ読みたい一冊。
『店舗の外にも百貨店の“戦後史"はあった―高島屋海外インテリア事業部隊』(上田正/亜紀書房/1,500円)
  40年余で42カ国、1年に217日―著者は高島屋インテリア事業部の一員として世界を駆けめぐった。戦後賠償による海外プロジェクトからバブル崩壊後の厳しいビジネスシーンまで、その渦中にいた人物の熱い筆致で描き切った“異色の百貨店外史"。
『狂言の大研究―“笑い"の古典芸能 舞台・装束から名曲の見どころまで』(茂山千五郎監修/PHP研究所/2,800円)
  第1部 狂言を見に行ってみよう(なぜ屋根がついているの?;どうして松の木が描かれているの?;舞台の裏はどうなっているの?;着ているものに特徴はあるの?;なぜふつうにしゃべるように言わないの?;着物なのに、どうしてじょうずに動き回れるの?;ストーリーの流れをつかむポイントはあるの?;狂言には何人ぐらいの人が登場するの?);第2部 狂言について学ぼう(狂言とはどのようなものか;狂言の種類;よく出てくる登場人物の性格や特徴;狂言の名曲―ストーリー紹介と見どころ;狂言のけいこ;狂言師になるには;狂言のプログラム);第3部 もっと知りたい狂言のあれこれ(狂言の流派;曲の難度と分類;奉納狂言;狂言用語集;もっと知りたい人のために…)
『もうひとつの日露戦争―新発見・バルチック艦隊提督の手紙から』(サルキソフ、コンスタンチン・O./朝日新聞出版/1,500円)
  1904年に火ぶたを切った日露戦争日本海海戦、ロシアでは「ツシマ海戦」と呼ばれる戦いで、通称「バルチック艦隊」は撃沈した。開戦から100年後、艦隊を率いた司令長官ロジェストヴェンスキーが、妻と娘に宛てたプライベートな手紙が発見された。200日を超える大艦隊の航海中、故障や熱帯の地での長期足止め、燃料補給の困難など様々なトラブルに見舞われ、乗組員たちの士気が著しく低下。革命迫る本国との通信が途絶える中、辛抱強く艦隊を支え続けた姿からは、これまで必ずしも芳しい評価をされてこなかったロジェストヴェンスキーの苦悩や諦め、責任あるリーダーとしての一面も見えてくる。そのほか、情報将校の秘密文書など、ロシア側の新史料を豊富に用いて描き出す、新たな日露戦争像。
『ねこ耳少女の量子論―萌える最新物理学』(竹内薫著;藤井かおり執筆協力;松野時緒漫画/PHP研究所/476円)
  失恋の痛手が癒えぬ少年勇希は、なぜか量子のことばかりを話す不思議な美少女あいりと出会う。しかし、いきなり読者だけに知らされる衝撃的な事実…。なんと、彼女の耳は猫の耳だった。
『ソ連のスパイたち―KGBと情報機関1917‐1991年』(カタミーゼ、スラヴァ/原書房/3,200円)
  恐るべきスパイ国家の全貌を明らかにした戦慄のソ連史。150以上におよぶ未公開写真、新資料と証言による戦慄の歴史スターリンの粛清とベリヤ事件の真相、フルシチョフ政権の実態が明らかに。
『シネマ・クローゼット』(高松啓二/イーステージ出版/1,300円)
  イラストレーター・高松啓二が“映画の衣装箱"をこじあける!誰もが憧れのスターのファッションを真似したことが一度はあるはず。あの時代、この時代、映画が教科書だったすべての人たちへ―。
『独立外交官―国際政治の闇を知りつくした男の挑戦』(ロス、カーン/英治出版/1,700円)
  911対テロ戦争コソボソマリランド…大国の権力と策謀が渦巻く世界でだれも知らなかった「外交」の真実。