浅羽莢子さん逝去

いつまで経っても公式記事がないので書きにくいんですが、まぁこんなところなどから。
浅羽莢子とは - はてなダイアリー
いろいろな人が話題にしています。
ゲームブック好きには、『火吹山の魔法使い』の翻訳者。
ミステリー好きには、ドロシー・L・セイヤーズの翻訳者。
SF好きには、アン・マキャフリーの翻訳者。
ファンタジー好きには、タニス・リーの翻訳者。
ヘンな本好きには、ジョナサン・キャロルの翻訳者。
公式ブログ、というか浅羽莢子さんがやってたブログのほうは、2006年8月5日まで更新していたようです。
浅羽莢子のFine, Peace!
ご冥福をお祈りいたします。
(2006年9月27日記述)
 

消えものニュース(2006年09月26日)

※ニュース入手元に言及していないニュース系サイトには、原則としてリンク・言及しません。
 
第2のトキになるのかノグチゲラ〜問題視されなくなった「絶滅の危機」(via SueMe SubLog)
個体数が100羽を割って猛烈に絶滅の危機にあるのですがあまり話題になってない。
好きなサンリオキャラクターランキング - goo ランキング(via 痕跡症候群 )
けろっぴはみんな好きなのにグッズとしてはめぐまれていない気がする。
妹だったら嬉しいと思う有名人ランキング - goo ランキング
妹というには年上すぎるタレントもけっこういるみたいです。
日テレ来季の巨人戦放送に厳しい見方(via [N]ネタフル)
野球って見てると少しダルいので、もう少しテンポ早くやってくれると視聴率上がるかもです。
永谷園のお茶づけ海苔の食べ方(via 独り言以外の何か)
ぼくも以前このやり方で食べたらけっこうおいしかったのでした。俺の発明じゃなかったのか。
【会見速報】NTT東の高部社長が陳謝、「ソフトのバグで通話の処理能力が10分の1だった」:ITpro(via はてブニュース)
マイケル・ クライトン系パニック小説の元ネタに、もう少しくわしい事情を聞いておきたい。
低刺激性ねこ、新発売(via Exciteニュース ブログニュース最新100件)
猫アレルギーの人が35%もいるとは、そっちのほうに驚きです。
小学館、既存雑誌をネット化(痕跡症候群)
全部をネット化するわけではないんですが、山本五十六の空母中心の連合艦隊をはじめて見た気分です。
松下電器・角川・TBS、電子書籍の事業会社を設立(via はてブニュース)
こういうのはコンテンツの数も大事だけど、キラー・コンテンツの有無も重要だと思いました。
セクハラアナ匿名で「2次被害阻止」(via はてブニュース)
もう全然「匿名」じゃないんですけど、船越雅史アナウンサー…。
在日外国「特派員」の背信(via 今日の覚書、集めてみました)
古森義久記者のテキストから。via元の「今日の覚書、集めてみました」も面白いのです。
 

消えものニュース(2006年09月25日)

※ニュース入手元に言及していないニュース系サイトには、原則としてリンク・言及しません。
 
100円ショップアルカリ乾電池 性能評価実験 (via 誠天調書)
「メイド・イン・チャイナかよ〜」と言っている時代はとっくに過ぎているようです。
死ぬ死ぬ詐欺 - ニュー速用まとめ wiki(via 自動ニュース作成F)
2ちゃんねるの人たちの検証能力はすごすぎです。
新規レーベルが背表紙色をそろえるのは何故?(via 後天性無気力症候群)
そんなに難しく考えなくても、それ以外の理由はないと思うんですが。
甘くてツーン、「わさびらむね」 | エキサイトニュース(via メガとんトラック - 注目URLリスト)
静岡に行かないと手に入らないそうです。
ブラジャー姿の男が強盗 尼崎南部、同様事件7件目:毎日
何で顔を隠してもいいと思うんですが、やはり趣味なんでしょうか。
[教えて!goo] ミッキーの中身には…(via 日本視覚文化研究会)
中の人なんかいない! と言わないと悪いことが起きるようです。
asahi.com:日本最大のダム、貯水開始 水道・発電使えず矛盾も巨大(via はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー)
「総貯水容量は6億6000万トンで浜名湖静岡県)の2倍」という数字にたまげた。
「ネズミはチーズを食べない」はガセネタ(via 自動ニュース作成F)
待て、あわてるな。これは「吹風日記」さんの罠だ。(笑)
◇交通違反保険:最大手が廃業 金融庁が営業認めず(via 雅楽多blog)
無認可共済の規制がきびしくなったせいだそうです。
OhmyNews:「炎上係数」で測るブログの焼け具合(via はてブニュース)
「ヤジウマ型炎上」というのもあるそうです。
 

「ブックマーク・RSSから」を追加しました

「ブックマーク・RSSから」を以下の日付に追加しました。
ブックマーク・RSSから(2006/09/16)
ブックマーク・RSSから(2006/09/17)
 
なお、リスト形式のものは以下のところにありますので、ぼくのブックマーク・RSSについてリンク・言及される場合(リンク先を「via」みたいな形で明記する場合)はそちらにリンクを貼っていただけるとありがたいのです。
愛・蔵太の少し調べて書くblog:ブックマーク・RSSから(2006/09/16)
愛・蔵太の少し調べて書くblog:ブックマーク・RSSから(2006/09/17)
 
だいぶ日付的にはややこしいことになっていますが、しばらくこのまま続けます。
(しばらくの間、紹介するのは10個にします)
(2006年09月24日記述)
 

消えものニュース(2006年09月22日)

※ニュース入手元に言及していないニュース系サイトには、原則としてリンク・言及しません。
 
J-CASTニュース : ネット株「暴落」の深刻 成長性に「?」が付く 「新興ネット企業がいま一つ信用できない」(via はてブニュース)
ネット利用者の頭打ち感は確かに感じます。もうすでにあまりにも普通の存在になってるので。
月面兎兵器ミーナ(via MOON PHASE 雑記)
電車男」アニメの公式サイト。ノイタミナがノイタミーナになるのかと思ったけど、ワクは違う。
ホールや電車…マナー無視に携帯電波抑止装置(via caprinのヲタ更正日記)
半径5メートルぐらいの携帯が「圏外」になる「携帯・携帯電波抑止装置」があると面白いと思った。(追記:すでにあるみたいです、すみません。リンク先の記事参照)
■小学館「現代漫画博物館」10月30日発売予定(via マンガ☆ライフ)
こんなものをこっそり作っていたのか小学館は。戦艦大和をはじめて見た気分です。
【業務連絡】「たけくまラジオ」が始まります(via Exciteニュース ブログニュース最新100件)
ポッドキャスティングがらみなのが今どきです。
新首相誕生で理髪店が悩むことに……(via Excite世界びっくりニュース)
理髪店に行かない新首相らしいんですが、別に髪の毛がないという理由からではありません。
「ありがとう」と水に話しかけると核融合が起きる!?(via newsing(ニューシング))
楽しそうな学会の報告があるようです。
 

東京地裁の「国旗・国歌強制」違法・違憲判決の全文

こんな「はてな」の質問から。
人力検索はてな - 入学式や卒業式での国旗・国歌の強制を違憲とした東京地裁判決(9/21)の判決全文をウェブで見ることは可能でしょうか?

http://www.news-pj.net/#anchor01

ここの資料にあります。

ということで、ここにあります。
国旗国歌 都教委通達は「違憲
20060921判決要旨 News for the people in Japan
東京地裁判決 全文 1(pdf)
東京地裁判決 全文 2(pdf)
東京地裁判決 全文 3(pdf)
ちょっとpdfファイルは読みにくいのですが、この裁判(判決)について何か言ったりしたい人は、このテキストとpdfファイルを参考にするといいと思います。
数か月後には、以下のサイトに電子テキスト化されたものが載るかもしれませんが、載らないかもしれないです。
判例検索システム>検索結果一覧表示画面
国旗・国歌に関するぼくの考えは、前に述べたこともありますが、あんまり変わってないです。
国旗・国歌に関する朝日と産経(&読売)のやりとり
なんで「式」という公式セレモニーを、「内心の自由」という私的な理由で妨害しなければいけないのかよく分からない。そんなに嫌なら、式に行かない、という選択肢はないんでしょうか(よく知らないので、認識に誤りがあったらすみません)。

ちょっと、その問題のきっかけになった教諭の「根津公子」さんについても調べてみたんですが、長くなりそうなのであとで。
(2006年9月24日記述)
 

沖縄の人は「降伏勧告状」を持たせたアメリカ軍のことを何も言わないんだろうか

以下のコメントから。
「沖縄戦に“神話”はない」(太田良博・沖縄タイムス)を電子テキスト化する(9)

# イッセイ 『>lovelovedogどの。
テキスト作成、ホントにご苦労様です。
が、テキストの後に述べているコメントは、中立客観を気取っていても、私は曽野綾子・赤松嘉次のの肩入れをしてるように感じさせられます。
例えば、「ことの本質はそれではない」と太田良博はそう言ったのですか?また、「集団自決の命令があったかどうかという問題はどうでもいい」太田が言うはずはないと思いますが?そう言う事は、揚げ足採りに聞えますよ。
直接赤松隊が手を下した処刑の方が、軍隊の本質ををより露わにする行為ですが、住民への自決強要も本質同じであると私も思います。
>『ある神話の背景』の121ページ、122ページにあたる……
それは221ページ、222ページにあたる、でしょう。『「集団自決」の真実』では、254・255ページにあたる。米軍に捕虜になった日本軍将校二人が赤松陣地に投稿勧告に来るくだり。これには寛大な態度で迎えたという…。』 (2006/09/13 12:26)
# lovelovedog 『元テキスト(新聞のテキスト。沖縄タイムス1985年4月17日)には「121ページ、122ページ」と書いてありましたのでそのまま書き写しました。記事に関するコメントはうっとうしい人もいるとは思いますが、その場合は読まなかったことにするとか、自分の日記(ブログ)で反論とか異論をとなえてトラックバックを送るとかするといいんじゃないかと思います。』 (2006/09/13 22:01)
# イッセイ 『ページ間違いを小うるさく言ったのは、この部分が日本軍の本質を言い当てているからと思ったからです。新聞の原文そのものが誤記だったとは思いも寄らなかったですが。
沖縄人非戦闘員が降伏文書を持ってきた時には、女子供でさえ、直ちに首を刎ねているのに、捕虜になった日本軍将兵が持ってきた時には、これを丁重に扱って送り返した。差別以外の何物でもありません。この差別的処置に鑑みても、赤松隊長は虐殺者としての責任を免れません。
私は沖縄人である。大和人に、こみ上げてくるこの悔しさ、怒りが分かるだろうか。
私はブログを持ってません。復刊ドットコム・「ある神話の背景」の項の掲示板に、小生の考えを述べているので、ご参照下されば幸いです。』 (2006/09/14 03:47)
# lovelovedog 『どうもわざわざありがとうございます。新聞の記事間違いだったのですか!『ある神話の背景』を確認してから、本文に「注」の形で訂正するかどうか考えたいと思います(少し時間がかかりそうですが)。「降伏文書」に関しては、それのやりとりは軍人同士に限られる、みたいな決まりがあるみたいなので、「非戦闘員」がなぜそのようなことをやったのか(やらされたのか?)、そこらへんの事情がもう少し知りたいと思いました(『「集団自決」の真実』p229-231)。ぼくの解釈では、沖縄人・民間人だから処刑した、という感じでもありませんでしたが、沖縄人としてのその感情は納得できるものです。ただ、ぼくとしては、その「痛み」は自分の想像力の及ぶところ以上のものにはなりませんし、軽々しく同情して、沖縄人の味方のふりをする非・沖縄人にはもう少し用心をしてもいいのでは、と思うところもあります。そういう人は時々、単に今の日本政府が嫌いなだけ、ということもあったりするわけで』 (2006/09/14 11:33)
# イッセイ 『>「非戦闘員」がなぜそのようなことをやったのか(やらされたのか?)
それは太田も言ってるとおり、非戦闘員なら、特に女・子供なら殺すまいと米軍は予想したからだ。
終戦後だったとはいえ、赤松隊はまだ戦闘中ではなかったか?「生きて虜囚の辱め…」を叩き込まれているはずの日本軍人が降伏勧告にきたのだから、もっと厳しい処置を赤松隊は為すべきでなかったか?
>軽々しく同情して、沖縄人の味方のふりをする非・沖縄人にはもう少し用心をしてもいい…
私もそんな日本人は苦々しく思っているし、知念ウシや野村浩也など復帰後世代の沖縄人論客が、そのような「良心的日本人」へ手厳しい批判を展開している。
それよりも、私が最も苦々しく思うのは貴方のように、少し調べて中立を装い、それらの良心的日本人を貶しながら、実は赤松・曽野の弁護を意図している日本人達である。』 (2006/09/14 13:31)
# lovelovedog 『いろいろ興味深い情報をどうもありがとうございます。ぼく個人は沖縄のかたの発言を貶めたりするつもりはありませんので、ご不快に感じられたようでしたら申し訳ありません。基本的に渡嘉敷島の事件については「もう少しくわしいことが知りたい」という方向でテキストを見ているもので、太田良博さんがあることを言っているテキストに対して、別の人(曽野綾子さん、あるいは彼女が引用している形での赤松元大尉)が別のことを言っているのを読んだ場合には「こういうテキストもあるが、本当はどうなんだろう」的な興味と紹介をしてみたくなるわけです。
そこらへんをご了承のうえ、というか基本的にはぼくの無知な部分をご理解いただいたうえ、以下のことに関する、参考になるようなテキストはどこかにあるようでしたらご教示ください。ぜひ読んでみたいと思います。
1・「非戦闘員なら、特に女・子供なら殺すまいと米軍は予想したからだ」とのことですが、太田良博さんがそのようなことを書いているテキストはどこかにありますか。また、「米軍」の「予想」がそのようなものであった、という根拠(太田良博さんがそのように信じる根拠)はどこかにありますか。たとえば、他の地域では非戦闘員に投降勧告をさせて成功したから、「沖縄の日本軍に対しては非戦闘員に投降勧告をさせる」みたいなマニュアル的なものが、当時の米軍にはあった、みたいな。
2・「知念ウシや野村浩也など復帰後世代の沖縄人論客」による「「良心的日本人」へ手厳しい批判」というのを読んでみたいんですが、具体的にはどういう書物などからまず読んでみればいいんでしょうか。』 (2006/09/14 22:27)
# イッセイ 『1の答え
『集団自決』の真実」のp242の初めに、太田が曽野へ示したメモとして書いてある。
「根拠」とは何を言いたいのか。そんなことを問うのならば、大戦当時は、使者として投降勧告文を持たされて来る自国の非戦闘員を、殺すのが国際的常識だったとの「根拠」を貴方が示して後に、問わなければならない。

知念ウシや野村浩也をネット検索すれば、いくらでも情報が得られるのではないか?
この答え文を、ヌメヌメした不快感を持って書いている事を言って置こう。もうサヨナラだ。』 (2006/09/14 23:51)
# lovelovedog 『そうですか。話を伺えなくて残念です。それではまた、どこかでお会いしましょう』 (2006/09/15 00:11)
# lovelovedog 『ただ、「『集団自決』の真実」のp242の初め」には、「太田が曽野へ示したメモ」のようなものは書いてなかったので、ページ数は違っているように思えるのですが』 (2006/09/15 00:14)
# イッセイ 『失礼した。p228でした。
それにしても、すべてマイペースの記述ですな。相手には「根拠」は何かなどと訊いてくるのに、自分からはそんな事には無頓着で。
日米アンポ下のヌクヌク世代を彷彿させられます。』 (2006/09/15 00:26)
# lovelovedog 『一応戦時国際法では「軍使」というものはどういうものかを決めているわけですが(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B0%E9%99%B8%E6%88%A6%E6%9D%A1%E7%B4%84#.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.AB.A0_.E8.BB.8D.E4.BD.BF)「民間人(自国の非戦闘員)」は「交戦者の一方」ではないので、降伏・投降勧告がそもそもできないものじゃないかと思ってました。というのがぼくの「根拠」です。だからって殺してしまうのはあんまりだ、ってのは同意しますけどね』 (2006/09/15 00:36)
# lovelovedog 『要するにまず、沖縄戦では「民間人を降伏・投降勧告として軍使・使者に使うのが、そもそも米軍の国際法違反なんじゃないか」というわけですが』 (2006/09/15 00:39)
# lovelovedog 『似たようなことを曽野綾子さんと赤松さんも、p229-230では言っているわけですが』 (2006/09/15 00:41)

曽野綾子『「集団自決」の真実』の該当部分を引用します。p228-230

渡嘉敷島には、既に戦闘がすんだ伊江島から、米軍によって連れてこられた住民がたくさんいたが、米軍が、その中から女五人、男一人を選んで、渡嘉敷島守備隊長・赤松嘉次大尉の陣地に、降伏勧告状を持たせてやった。軍使は普通殺さないのが常識である。それに女はまさか殺すまい、と思って、米軍は使者にたて、男は道案内のつもりだったのだろう。ところが、彼らは、二本軍陣地で捕えられ、各自穴を掘らされ、斬首された。実に残虐で、不愉快な事件である。墓穴を掘らせたやり方も考えさせられる。大陸で中国捕虜を殺したやり方だ。
当時、渡嘉敷国民学校の教頭だった、島尻郡豊見城(とみぐすく)村出身の大城徳安が、注意人物という理由で斬られた。
赤松隊長のやり方を、ひそかに批判したことが知られて、陣地につれていかれて、重労働を強制されていたが、妊娠していた妻のことが気になったのか、陣地をはなれて家族と会いに行ったために、縄でしばられ、陣地附近に連れて来られて斬首された。
ほかに防衛隊員が命令違反のかどで斬られ、朝鮮人軍夫が多数殺されている。
米軍の降伏勧告状を持って行った十五、六歳の少年二人は銃殺された。
米軍が降伏勧告の使者に、女や子供を使った配慮と、それらの使者たちがみんな殺されている事実は見逃せない」
赤松弾劾の立場をとる人々の気持を、最もよく代表しているのは、赤松伝説のバイブルとなった『鉄の暴風』の筆者の一人である太田良博氏が、わざわざ私のために要点を書きとめた、右の文章である。
私はこの文章を、赤松隊の人々の前で読み上げたことがあった。
赤松「墓穴を掘らした……ねえ。そんなことは、そんなこと、ないでしょうなあ」
隊員「マッチ箱の、こんな小さなマッチ箱一ぱいの食糧で、墓穴を掘るような体力があったかどうか。わしら、もう……」
赤松「米軍の軍使ではないですね。軍使であれば、もちろん米軍からの書類なりなんなり持って来ますしね、旗も
非戦闘員である村民からみれば、それは立派な軍使に見えた。しかし旧軍の法務官一人であった阪埜淳吉氏によれば、彼らは軍使ではない。国際法上の軍使というのは、白旗をかかげ、司令官が軍使として命じたと信ずるに足るもの、たとえば制服を着用していなければならない。つまり正規の戦力構成員でなければならない。ましてや敵国人(米軍からみて日本人)を軍使に使うことなど考えられないという。
しかしそのような専門的知識は、村民になかったのも当然であり、米軍側でそれを命じた人にも、もしかするとなかったのかも知れない。

(太字は引用者=ぼく)
…非戦闘員に「降伏勧告(軍使?)」をさせるのは戦時国際法違反なのでは。
とりあえず、「戦時国際法」の該当部分を引用します。
ハーグ陸戦条約 - Wikipedia

第三章 軍使
32条:交戦者の一方が他方との交渉を行うため、白旗を掲げて来た者を軍使と規定する。軍使、及び、それに随従する喇叭手、鼓手、旗手、通訳は不可侵権を有す。
第33条:軍使を差し向けられた部隊長は必ずしもこれを受ける義務は無い。また、軍使が自軍情報を探知する為にその不可侵権の使用を防ぐ一切の手段を取れる。不可侵権を濫用された場合は、軍使を一時抑留することも許される。
第34条:軍使が背信を教唆し、自らがそれを行いうる特権ある地位を利用した事が明白であるときは、不可侵権を失う。

例によってあまり法律にはくわしくないのですが、「民間人」は非戦闘員なので、「交戦者の一方」ではないですね。特定の要件を満たせばなりうるのかな。曽野綾子さんの著作内や太田良博さんのテキストでは、その部分がよく分からないんですが。
で、やはり気になるのは「民間人、それも敵国の民間人を「軍使」として降伏・投降勧告にやらせた(行ってもらった)」という例が、沖縄戦以外にもあるのか、ということなんですが、軍事とか法律にくわしい人は、そういう例を他にはご存知でしょうか。何となく、ナチスドイツが崩壊した後のドイツ部隊に対して、そういうことがありそうななさそうな気もします。
「まだまだやるぞ!」と思っている軍人の人たちに戦う気をなくさせるのは難儀だと思うので、一番簡単そうなのは上官もしくはそれに類する者の「武装解除命令」みたいなものかなぁ、と素人判断をしておきます。ていうか、上官に当たるものが「やめた」と宣言するとか、「やめるように」と命令する以外に、現場で戦っている軍が武器を捨てるのは難しそうです。
まぁぼくも、アメリカ軍のほどほどにえらい人で、軍使を送っても殺されてしまう状況だったら(実際にそうなのかどうかは不明ですが)、どうしたらいいだろう、と悩んで、「相手の国の民間人なら殺さないだろう」という判断をするかもしれませんが。
多分、ポール・アンダースンなら、そのアメリカ人的立場の人間を主人公にしてSFを書くでしょう。
オースン・スコット・カードなら、「何度殺されても使いに行く軍使」を題材にSFを書くでしょう。
カート・ヴォネガットなら、カードと同じテーマで滑稽小説を書くでしょう。
もっとも、「だからって(非戦闘員を)殺してしまうのはあんまりだ、ってのは同意します」というのは強調しておきます(←ここ大事)。
ちなみに、日本の正式な軍使がバリバリ殺されている例もあるみたいです。
「樺太裁判(1)」

八月十五日以降、停戦の交渉に出向いた日本の軍使が何度もソ連軍に殺されながら、八月二二日、ソ連軍はようやく停戦におうじ、日本側参謀長とソ連側アリモフ将軍との間で停戦協定が調印され、日本軍は全面降伏した。

 
で、まぁ「自決命令」に関してはこんな感じですか。
復刊ドットコム 掲示板

No.84658 再版 一誠 06/06/03 05:31:33
(前略)
前に言ったように、赤松隊長による口頭の自決命令はなかったという事は、沖縄の知識人も、全般的に了解している事です。数居た指揮官の中で、赤松氏のみを神話的悪人に仕立て上げた事は、沖縄ジャーナリズムの失策と言うしかありません。
だが、曽野綾子氏の証明できたのはそれだけで、日本軍による自決の強制性、住民虐殺の犯罪性は否定できていません。
(後略)

沖縄戦の「集団自決強要」/教科書から削除狙う 「つくる会」副会長ら/体験者や作家ら集会で批判/「事実から目そらす」

沖縄戦の「集団自決強要」/教科書から削除狙う 「つくる会」副会長ら/体験者や作家ら集会で批判/「事実から目そらす」
ノンフィクション作家の下嶋哲朗さんが講演。日本軍が直接かかわっていないチビチリガマでの「集団自決」の例をあげ、住民らが「天皇のために死ぬことがりっぱだ」とたたきこまれており、そういう教育をした国の方針が一番の原因だと指摘。「『集団自決』にはさまざまなケースがある。軍命があったか、なかったかというのは事実から目をそらせ問題をわい小化するもので、『自由主義史観』の人たちの意図もそこにある」とのべました。

やはり、左寄りの人たちに「で、軍の命令としての集団自決は、あったんですかなかったんですか」と聞くと現在は「も、問題の矮小化だからねっっ!」と、真っ赤になって怒るみたいです。
(2006年9月24日記述)
 

ぼくの好きな会社名

こんなところから。
イミフwwwうはwwwwおkwwww ちょwww凄い会社見つけたwww
こんな名前の会社もありますが。
惣領智子の母家:一日のはじまり
ちなみに、山口と四国にあるみたいです。
(2006年9月24日記述)
 

「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)を電子テキスト化する(6)

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060927/oota205
 
これは、沖縄タイムス5月1日〜6日(5日は休載)に掲載されました「「沖縄戦」から未来へ向って」(曽野綾子)という、渡嘉敷島・赤松隊をめぐるテキストに、太田良博氏が応えたものです。
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「沖縄戦に“神話”はない」
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「「沖縄戦」から未来へ向って」
オリジナルは1985年5月11〜17日(12日は休載)、沖縄タイムスに掲載されました。
連載第6回、最終回です。

議論にならない
 
▼曽野さんは、沖縄の社会、教育、新聞なども批判している。皮相的な、困った偏見である。たとえば、「沖縄の社会は閉鎖的である」という。その理由は、なにも述べていないから、答えようがない。もし私が「本土は沖縄よりも閉鎖社会である。日本の地方の中で、沖縄ほど世界に開かれたところはない」と言ったとする。それだけでは議論になるまい。私なら、その理由を述べる。
今度の論争で、私は根本問題を踏まえて、土俵の真ん中に立っているのに、曽野さんは、枝葉末節のことや論点からはずれたことばかり言って、土俵のまわりを逃げまわっていたような気がする。
▼住民処刑の明確な不当性を、私は証明した。これについては、いかなる人も反論できないはずだ。曽野さんも、沈黙して、曽野点は避けている。そうとわかれば、エチオピアの話をもち出す前に、不当に殺された人たちの遺族に対して、何らかの言葉があるべきだった。それがなかった。まったく、思いやりにかけている。
▼赤松の弁護などは、作家本来の仕事ではあるまい。ドレフュス事件のゾラや松川事件広津和郎の例はあるが、いずれも国家権力に対して被害者を弁護したのである。曽野さんの「ある神話の背景」は、国家権力の具現者であった赤松の不当な加害行為を弁護しているのである。こういう弁護はゾラや広津もさけるであろう。曽野さんは土俵をまちがえたと言わざるをえない。
 
“食言”する言動
 
「ある神話の背景」で、曽野さんは、つぎのように言う。「終戦のとき、自分は十三歳の少女だったが、すでに死ぬ覚悟があった」と。この言葉を、「だから、渡嘉敷島の人たちも強制されたのではなく、みずから死んだのだ」という理屈にむすびつける。だが、赤松弁護のくだりになると、「私が赤松の立場だったら、生きるために、あらゆる卑怯なことをしたかもしれない」と、まるで、ちがったことを言っている。「ある神話の背景」は、また、「頭かくして尻かくさず」といった背理や矛盾もたくさんあるが、いちいちふれないことにする。また、どういうつもりなのか、曽野さんは、外国の心理学者のマゾヒズム的な学説を引用して、「殺される喜び」について語ったり、「人間は人一人殺してみなければ、何もわからないのではないだろうか」とも書いている。
▼赤松戦隊は、特殊な集団であった。隊長の赤松が二十五歳、学校を出て間もない。軍隊や戦場の体験が豊かだったとはいえない。隊員は、みな二十歳前後で、未成年者も多く、軍隊体験は一年内外、戦場に立つのは初めての連中である。いわば未熟兵の集団であったのだ。みんな若いから特攻に向いていたともいえる。だが、こういう集団は、本来の使命である特攻の機会を失うといった状況の激変に直面するとパニック状態におちいり狂暴となる。狂暴は、死を拒否し、生きるためにもがく行為である。ほんとに死を覚悟している人は狂暴にはならない。小禄の海軍根拠地隊とくらべてみると、その対照がはっきりする。根拠地隊は、所属のトラックで、小禄の全村民を、沖縄本島の北部に避難させ、小禄村全域を「無人の地帯」とした。軍隊だけ残って敵を待ち構える姿勢である。まことに苛烈な状況であった。米軍の記録は、のちに、小禄海軍部隊の善戦敢闘をつたえている。米軍の総攻撃をうけ、いよいよ玉砕が迫ったとき、司令官太田実少将(千葉県出身)は、「後退して、遊撃戦に移れ」と訓示して、部下の大半を、島尻南部に脱出させたが、戦線離脱と誤解されないように、摩文仁の軍司令官に打電した。部下を後退「残置」させた理由を述べ、その指揮下に入れてもらうように頼んだ。実は、部下将兵を死の道連れにしたくなかったのである。そして、幹部だけが小禄の海軍壕に残って、自決した。自決の直前、太田少将は海軍次官あてに打電する。伝聞内容は、沖縄県民の協力に関する内容で終始しており、「沖縄県民、カク戦エリ、県民ニ対シ、後世、特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という言葉で結んでいる。自分は犠牲になっても他人は犠牲にしないという、成熟した高潔な人格と勇者の姿を、真の太田少将にみる。自分のいのちを惜しむ者ほど、他人の生命を軽視する。
 
特攻の犠牲“食う”
 
▼赤松大尉は降伏のとき、米軍将校に向かって、「あと十年間は保てた」と、子供っぽい見えを切っている。隊員少年兵の記録にも「十年でも、三十年でも頑張るつもり」のことが書かれてある。赤松やその隊員たちには「玉砕」の気持ちはなかったのである。
特攻機で沈められた米艦隊からの漂着物(缶詰、その他の食糧)を、赤松隊員たちは「ルーズベルト給与」とよんで、一日千秋の思いで、それを待った、という。この「ルーズベルト給与」は味方の特攻機の犠牲によるものである。特攻崩れの彼らは、この給与について、心の痛み、いや胃袋の痛みを感じなかったのだろうか。その特攻の一人に、沖縄出身の伊舎堂中佐(当時大尉、二階級特進)がいた。彼は台湾から飛んできて、慶良間列島の米軍艦に突っ込んだのである。まことに、皮肉で、象徴的な事件である。
▼「人を殺すな」「人を殺した人をゆるせ」----この教理の二律背反はわかりにくいが、「人を殺した人」がゆるされるのは、おそらく、悔い改めることによってであるはずだ。だが、曽野さんがかばっているのは、この教理でもなければ、赤松でもない。曽野さんは、赤松が悔い改めないことに手を貸しているからである。「ある神話の背景」に「本土人の指揮官」という言葉がある。曽野さんが各種の詭弁を駆使してかばっているのはこれだ。つまり、「本土人」と「日本の軍隊」である。----私が問題としているのは、あらゆる暴力、ことに権力や戦争による暴力と「人間」の関係である。
(おわり)

今回はなかなか興味深い、「事実」もしくはそれに類すると思われるものに関しての言及がありました。
曽野さんが「沖縄の社会は閉鎖的である」的なことを言っているテキストは、正確には以下の通りです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060922/sono05

数年前、『ある神話の背景』が出てしばらくした頃、私は知人にあげるために一緒に那覇市内の本屋に行って、この本を買おうとしたことがあった。しかし、本屋にはこの本がないばかりでなく、私が当の著者であることを知らない店員さんは、入荷の予定もない、とそっけなかった。知人はその本屋が「思想的に特徴のある本屋ですからね。曽野さんの本は置かないのかもしれませんね」という意味のことを言ったが、私は穏やかに前金を払って自分の文庫を取ってもらうように頼んで来たことがある。
私はかねがね、沖縄という土地が、日本のさまざまな思想から隔絶され、特に沖縄にとって口あたりの苦いものはかなり意図的に排除される傾向にあるという印象を持っていた。その結果、沖縄は、本土に比べれば、一種の全体主義的に統一された思想だけが提示される閉鎖社会だなと思うことが度々あった。

曽野さんは
1・「沖縄は、本土に比べれば、一種の全体主義的に統一された思想だけが提示される閉鎖社会だなと思うことが度々あった」とは言っているが「沖縄の社会は閉鎖的である」とは言っていない(太田良博さんはこのようなパラフレーズをよくやるみたいなので注意が必要です。「似たようなことは言っている」というのと「実際にそれと同じテキストがある」とはイコールではありません)。
2・「閉鎖的(閉鎖社会)」だと思う理由として、「思想的に特徴のある本屋」「日本のさまざまな思想から隔絶され、特に沖縄にとって口あたりの苦いものはかなり意図的に排除される傾向にあるという印象」という理由を挙げている(その「印象」が何に由来するのか、は例としては弱いことは確かですが)。
という感じです。もっとも、その後に続くテキスト、

もしそうとすれば、これは危険な状況であった。沖縄の二つの新聞が心を合わせれば(あるいは特にあわせなくとも、読者の好みに合いそうな世論を保って行こうとすれば)それほど無理をしなくても世論に大きな指導力を持つ。そして市民は知らず知らずのうちに、統一された見解しかあまり眼にふれる機会がないようにさせられる。もし私が沖縄に住むなら、私は沖縄の新聞と共に必ず全国紙を一紙取るだろう、と私は思った。そうでないと、沖縄中心の物の考え方が次第に助長されるようになる。世界の中の日本、日本の中の沖縄あるいは東京、というバランス感覚がなくなるのである。

については、やはり「世界の中の日本」を知るためには、全国紙を一紙取るだけではなくて、世界中の新聞に目を通さないと駄目だとは思いますが。インターネット時代はそれに似たようなことが可能になって、だいぶバランス感覚がついた人が多くなったんじゃないでしょうか。
ルーズベルト給与」という言葉は知らなかったので検索してみました。
ルーズベルト給与 - Google 検索
ただ、実際に赤松隊と「ルーズベルト給与」の関係、またそんなにたくさん「漂着物」が流れ着いたのかどうかは不明なので、ちょっと興味を持ちました。
沖縄戦での特攻の戦果は、「ウィキペディア」によると、
特別攻撃隊 - Wikipedia

アメリカ海軍は沖縄戦において駆逐艦12隻を含む撃沈26隻、損傷164隻の損害を受けており、人的損害は、1945年4月から6月末で死者4,907名、負傷者4,824名としている。

とのことなので、けっこう「損傷」した船から流れたのかな、とは思いますが。
「一日千秋の思いで、それを待った、という」という伝聞情報に関しては、その情報の出所、およびそれに近い記録があるのかどうか、もう少し調べてみたいと思いました。
 
これで、「沖縄戦に“神話”はない」(太田良博)「「沖縄戦」から未来へ向って」(曽野綾子)「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)の、全電子テキスト化を終了します。
あとで、コメントなしの電子テキストをまとめてみたいと思います。
次は、「家永裁判」沖縄出張法廷(昭和63年4月5日)でおこなわれた、曽野綾子さんの「証言」を掲載(電子テキスト化)する予定です。
 
「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)リンク
1:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060923/oota201
2:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060924/oota202
3:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060925/oota203
4:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060926/oota204
5:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060927/oota205
6:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060928/oota206
 
なお、曽野綾子『ある神話の背景』は現在、『「集団自決」の真実』という題名で復刊され、新刊書店・ネット書店で手に入れることができます。
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトつき)
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトなし)