『時計じかけのオレンジ』幻の最終章
そんなものがあるとは知らなかった。
ウィキペディアではこんな感じ。
→時計じかけのオレンジ - Wikipedia
削除された章
小説は21章から構成されるが、アメリカ合衆国で最初に出版された際、バージェスの意図に反し最終章である第21章が削除されて出版され、キューブリックによる映画も本来的の最終章を削除された版を元に作られた。映画化に際して一部のエピソードを省略したり複数のエピソードをまとめたりすることはよくあることだが、第21章があるか否かにより小説の印象は相当異なる。このため、映画版は原作者であるバージェスが意図しない終わり方をしている。
その後、アメリカでも第21章は復活して出版されるようになったが、日本語翻訳版ではバージェスの意図に反し第21章が省略されたままとなっている。
(太字は引用者=ぼく)
アンソニー・バージェスはいつ死んだのか調べてみたら、1993年でした。
というわけで、これ。
→時計じかけのオレンジ 第21章翻訳
ここでは<時計じかけのオレンジ>の幻の第21章(最終章)を私が翻訳したものを載せています。「幻」というのも、時計じかけのオレンジという小説をスタンリー・キューブリックが映画化したもの及び日本でハヤカワ文庫から発売されている単行本の内容は、著者であるアントニイ・バージェスが意図した終わり方をしていません。
というのは、それらでは主人公アレックスが元通り暴力性を身に付けて、「おれはなおったんだ(I was cured all right.)」となって終わっていますが、原作ではその後にもう1章、話が付いているのです(このことは単行本の訳者である乾信一郎先生(先生は無類のネコ好きで「ネコの育児書」の著者でもあります)が訳者あとがきでふれています)。
内容については以下を読んでいただければおわかりになるはずです、兄弟よ。
なんで日本語翻訳版には入っていないのか、よくわかりません。ご存知のかたは教えてください。
これもちょっとリンク。
→ネタばれ注意! 時計じかけのオレンジ - あの映画のココがわからない