読書

赤羽建美(あかばねたつみ)という作家について

ときどき、コバルト文庫とかに書いていたジュニア・ライト系の作家で、今はどうしているのか気になる作家のことを思い出したりするのだった。その一人が赤羽建美だったのですね。 →赤羽建美 - Wikipedia 赤羽 建美(あかばね たつみ、男性、1944年1月14日 - …

『荒地の恋』---これは読んでてつらかった

画像は「77才時の北村太郎(左)と田村隆一」。 以下のところからいただきました。 →荒地の恋 - 映画の小窓 →http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/5a/5ef17947a755b54c7b3311045836f26d.jpg ただし、北村太郎は69歳(70歳の誕生日を迎えるほんの少し前)、…

『八日目の蝉』----男の子宮が痛くなる(ないけど)

これはなかなか面白かった。八日目の蝉作者: 角田光代出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 264回この商品を含むブログ (318件) を見る【→八日目の蝉(amazon)】 逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの…

『1976年のアントニオ猪木』----ジャイアント馬場と闘えなかった男の闘魂

1976年のアントニオ猪木作者: 柳澤健出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/03/14メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 146回この商品を含むブログ (52件) を見る【→1976年のアントニオ猪木(amazon)】 例によって、面白い本しか紹介しないことにしている…

『北朝鮮へのエクソダス』----歴史として考える

北朝鮮へのエクソダス―「帰国事業」の影をたどる作者: テッサ・モーリス・スズキ,田代泰子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/05/08メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 50回この商品を含むブログ (25件) を見る【→北朝鮮へのエクソダス(amazon)】 …

『一六世紀文化革命』----とても知的刺激を受けてしまった

十六世紀の印刷技術と大航海が、ヨーロッパの文明をどのように変えていったのか、職人が「学者」とは別の、実利的・実践的なメソッドで世界を分析し、理解し、それを世界(ヨーロッパ世界)に伝えたすごい時代を、膨大な資料とわかりやすい紹介で語りつくし…

『世界屠畜紀行』----肉食ってる人は必読

前から気になっていて、読もうと思ってたんだ。世界屠畜紀行作者: 内澤旬子出版社/メーカー: 解放出版社発売日: 2007/01/01メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 215回この商品を含むブログ (198件) を見る★『世界屠畜紀行』(内沢旬子/著/解放出版社/2,310…

『武士道シックスティーン』----とりあえず伊藤静と川澄綾子の声で読む

見出しは『スカイガールズ』です。 →スカイガールズ(オススメアニメ) この本はとても面白かった。というか、読んでいて楽しかった。武士道シックスティーン作者: 誉田哲也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/07/26メディア: 単行本購入: 4人 クリック:…

『サクリファイス』----まるでエイリアンの殺人事件のように読む

ミステリーを読んだな、という気にさせてくれる作品でした。サクリファイス作者: 近藤史恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/08メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 139回この商品を含むブログ (326件) を見る★『サクリファイス』(近藤 史恵 著/新潮社/1…

『生物と無生物のあいだ』----文章の安定したうまさに感心

いろいろ知らないことが書いてあって面白かった。生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/18メディア: 新書購入: 56人 クリック: 1,487回この商品を含むブログ (1107件) を見る★『生物と無生物のあいだ…

『きみのためのバラ』----10年に1度の傑作

これはとても面白かった。きみのためのバラ作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/04メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (40件) を見る→『きみのためのバラ』(池澤 夏樹 著/新潮社/1365円)(amazon) 12年ぶりという驚異の短…

吉田修一『悪人』から、キャラの性格の「回収」について考える

ということで、ひさびさに小説などを読んでみました。悪人作者: 吉田修一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/04/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (307件) を見る→『悪人』(吉田修一)(アマゾンリンク) 殺されたOL…

毎日新聞・2007年の3冊をネット上で補完しておくよ

これは以下の日記の続きです。 →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1) 以下のところから。 →2007年の○冊 - chirashino☆ura 毎日新聞(29日追記) ※その1のページが見当たりません。心当たりの方がいらっしゃいましたらご教示いただけるとありがた…

『先生とわたし』(四方田犬彦)----深酒と孤独には気をつけようと思った

ものすごく面白い! 一気読み。先生とわたし作者: 四方田犬彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 67回この商品を含むブログ (88件) を見る 由良君美(ゆらきみよし)という、東大教養学部における四方田犬彦の先生…

2007年ミステリ・シーンとアンケートに関する感想

ということで、以下の冊子データを集計してみたわけですが、このミステリーがすごい! 2008年版作者: このミステリーがすごい!編集部出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2007/12/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 60回この商品を含むブログ (74件) を見る…

いったい2007年のミステリーでは何が一番すごかったのか(翻訳編)

これは、以下の日記の続きです。 →いったい2007年のミステリーでは何が一番すごかったのか(日本編) アンケート集計に関する感想などは以下の日記にあります。 →2007年ミステリ・シーンとアンケートに関する感想 1・アンケート回答者の「順位」によるポイ…

いったい2007年のミステリーでは何が一番すごかったのか(日本編)

ミステリーに興味のないかたは、以下のリストなどを参考にしてください。 →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1) →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その2) →2008年のはじめに読みたい本(私家版・番外編) ということで、以下の冊子を買って…

2008年のはじめに読みたい本(私家版・番外編)

以下の日記をまずご覧ください。 →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1) →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その2) こちらのほうでは、以下のサイトでリンクされている本のうち、2005年以前に刊行されたものをまとめてみました。タイトルの50…

2008年のはじめに読みたい本(私家版・その2)

これは以下の日記の続きです。 →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1) ・『「少女」の社会史』今田絵里香(1)(今年の三冊・ジェンダー関係 - Words and Phrases) ・『女王陛下の影法師』君塚直隆(1)(本紙読書委員が選ぶ 2007年の3冊(4)橋…

「2008年のはじめに読みたい本(私家版)」を作って思ったこと(新聞の書評担当者について)

これは以下の日記の続きです。 →2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1) 作ってて思ったのは、ちょっとレベル高すぎ、ということでした。自分の専門分野の本に関しては、その分野を商売にしている人ならレベル高くなっても仕方ない、というか、そうじ…

2008年のはじめに読みたい本(私家版・その1)

以下のサイトから、ぼくの読みたいと思った本を、推薦者数〜50音順でに挙げていくよ。 →2007年の○冊 - chirashino☆ura あと、サイトに挙げられててもこちらで言及していない人、すみません。すでに読んだ本と、多分今後の人生において、とても読めそうにない…

虎のように生き、老犬のように死ぬ(『ヤンコフスキー家の人々』)

ヤンコフスキー家の人々作者: 遠藤公男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/14メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る★『ヤンコフスキー家の人々』(遠藤公男/著/講談社/1,995円)【→amazon】 一枚の虎狩りの写真から探りあてた…

サヴァンでアスペルガーでゲイな人(『ぼくには数字が風景に見える』)

ぼくには数字が風景に見える作者: ダニエル・タメット,古屋美登里出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/13メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 229回この商品を含むブログ (155件) を見る★『ぼくには数字が風景に見える』(D.タメット 著 古屋 美登里 訳…

2007年に読んで面白かった本ベスト5(ノンフィクションだけ)

2007年ももうそろそろ終わりなので、今年読んで面白かった本を紹介しておきます。ノンフィクション系5冊だけ。 ★『無意味なものと不気味なもの』(春日武彦/著/文芸春秋/1,980円)【→amazon】 本来のメッセージとは微妙に食い違った部分においてひそやかに違…

2007年10月に売れた本

そんなに何十冊も売れた本なんていうのは、ぼくの日記からはないのですが、アマゾンで売れ具合が目立ったものを右サイドに掲載してみました。翌月になるとまた変える予定なので、本文テキストにもリンク。 ・本を作る現場でなにが起こっているのか!? ・沖縄…

ぼくの読んでいない十大小説

これは読まねば、と思いながら未だに読んでいない超有名作品を10作挙げてみる。 1・モンテ・クリスト伯(デュマ)※『ダルタニアン物語』は読みました 2・風と共に去りぬ(ミッチェル)※読めば多分面白いだろうことはわかってるんですが… 3・嵐が丘(エミ…

ぼくの十大小説

以下のところから、 →私家版世界十大小説 - after game over 他の人が選ぶ「私家版世界十大小説』も見てみたいなあと思うので、是非皆さんも。 とのことなので、何となく選んでみるよ。 1・ガラス玉演戯(ヘッセ) 2・悪霊(ドストエフスキー) 3・トリス…

『黒い家』(貴志祐介)

黒い家 (角川ホラー文庫)作者: 貴志祐介出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1998/12/10メディア: 文庫購入: 38人 クリック: 500回この商品を含むブログ (184件) を見る【→amazon】 若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。…

『天才監督木下惠介』と『二十四の瞳』のあのシーン

こんな本を手にしてみる。天才監督 木下惠介作者: 長部日出雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/10/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (15件) を見る★『天才監督木下惠介』(長部 日出雄 著/新潮社/2100円)【→amazon】 クロ…

SFという仕掛けの私小説に納得しないものを感じる

ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より堕ち』(早川書房)がどんどん嫌な話になっているので、あと100ページ耐えられるかなという感じ。俺は痛いのとか、人が不幸になっていく話はあまり好きではないということがわかる。でも、ティプトリーとかディックと…